可憐な少女とスリ男が親友に!? 30年前 ミュージカルから誕生した 悲しくも心温まるお話:水たまりの王子さま

オスカー・ワイルドの童話「しあわせの王子」

子どもの頃、お読みになった方は多いのではないでしょうか。

私もその一人。

今回紹介するのは、その「しあわせの王子」をモチーフにした絵本です。

水たまりの王子さま 山崎陽子・作 安井淡・絵

絵本にしては珍しく、語り手は「スリの男」です。

おまわりさんに追っかけまわされ、逃げ込んだ所は…。

おんぼろアパートがある袋小路。


そこで彼は、白い顔をした可愛らしい少女に出会うのです。

お母さんと二人きりの貧しい暮らしをしている少女。

足が不自由で、窓から見える世界だけが彼女のすべてでした。


そんな少女がスリの男に言うのです。

「あなた、しあわせの王子さまだわ」

「お…おれが、なんだって?」

驚くスリの男。


どうして少女はスリの男のことを、王子だなんて言うのでしょう?!

それには訳がありました。物語の最後のほうでわかるので、ふせておきますね。

少女の頼みで「しあわせの王子」という童話の結末を調べることになるスリの男。

絵描きや酒場のよっぱらい女など、色んな人に聞いてまわるんです。

字も読めないスリの男、はたして彼は少女に童話の結末をどう伝えるのでしょうか…。

童話の結末だけじゃなく、町の色んな話をしにいくスリの男。

あの少女が喜ぶならと、毎日毎日窓の下に立つのです。


少女との交流が、スリ男の心を妙にあったかくさせていく。

口が悪くて粗暴なスリの男と、貧しくて病弱だがきれいな心を持つ少女。

一見不釣り合いな二人のほのぼのとした友情が、素晴らしい。



ヨーロッパの裏町を舞台にした、誠実で心温まる絵本です。

実はこの絵本、ミュージカルから生まれたものです。

日本のシャンソンの草分けとして一世を風靡した高英男さんの舞台。

そのミュージカルが元となっています。


…しあわせのことば…

あの子がわらうと、白いホッペタに ぼうっと ひがともる。

すると、おれの心のなかも みょうに あったかくなってな。


人の心の美しさを、温かなまなざしで描いた絵本です。

こまち

「児童書」選びの達人「こまち」
一年間に読む本は100冊以上。いい本はないかと足蹴く図書館へ通い続ける京都人。素晴らしい児童書は、子供達だけでなく、たくさんの大人にも読んでほしい。そんな思いを込めて、児童書の紹介をしていきたいと思っています。大人の皆さんの心をホッと温かくすることができる本を見つけていく、そんな児童書の旅にお付き合いくだされば嬉しいです。

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