きれいなバラには毒がある? 「もののあわれ」古来からの日本の美意識

 花は盛りに

月は隈なきをのみ見るものかは
雨に向かひて月を恋ひ

垂れ込めて春の行方知らぬも

なほあはれに情け深し
咲きぬべきほどの梢

散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ  


吉田兼好 徒然草 第百三十七段 「花は盛りに」より 



〜現代語訳〜

花は満開のときのみを
月は雲のない状態のもののみを見るものであろうか
降っている雨に向かって月のことを思い
部屋にこもって春の行方を知らないのも
しみじみとして趣が深い 
今にも咲きそうな梢
散って花がしおれてしまっている

庭などこそが見どころが多い



日本人は、古来から花鳥風月を愛でる民族であったようですが、

中世において、「完全な美に対する不完全な美」を認めた兼好は、

わが国の美意識を大きく深化させたと言われています。  


しかしながら残念なことに、

現代の日本において、この美意識が受け継がれているとは言い難いように思われます。 


「ガーデニングブーム」を受けてか、

各地で「オープンガーデン」が盛んに行われていますが、

どの庭を見ても、「完全な美」を求めているところがほとんどではないでしょうか。

もちろん、そうではないところもあるにはありますが・・・。  


オープンガーデン発祥の地、イギリス風の庭が多いので、

日本庭園と趣が異なるのは当然なのでしょうが、

すべからく「右へならえ」の日本人の習性に、

ヒネクレモノの私としては、異を唱えたくなるのです。


 そして、庭仕事を職業としているせいもあるでしょうが、

キレイにキレイに整えられた庭を見ていると、

その庭の世話をしておられる方の苦労までが見えてきて、

なんだか少し疲れてしまうのです。 


日本の気候に合わない植物までも、

流行のファッションのように次々と開発される園芸品種は、

色鮮やかで目を奪われますが、

病気に弱いものが多く、虫食いを防ぐための頻繁な農薬散布など、

大変な労力をかけておられることが、容易に想像されてしまいます。


 また、ビジネスとして、花卉(かき)販売をする生産者の方々も、

消費者の求めに応じてか、当然のように「キレイな」草花を出荷するために、

実に多くの農薬と肥料を使用されています。  


「花は食べるものではないから」という理由で、

安全性はおろそかにされ、ハウス栽培では暖房に重油が消費され、

環境への配慮は二の次に生産されているケースが多いのです。 



「美」や「自然」を楽しむための園芸が
環境を汚染している・・・


 もっと「あるがまま」の自然を楽しめないものだろうか? 

どうして、「虫食い」を汚らしいと思ってしまうのだろうか? 


「完全な美」を求めるあまりの弊害にも目を向けてほしい。

 


枯れた葉っぱ、萎れた花に

「もののあわれ」を感じる。 
古来からの日本の美意識、

自然を愛しむ心を再認識してほしい。  


そんなことを切実に願っている、今日この頃です・・・。




「植木屋タケさんのぶろぐ」2013年11月22日投稿より

植木屋タケさん

自然に恵まれた幸せな幼少期を過ごしていたが、ある日、鉄棒から落ちて脳天を打つ。以来、少々オカシクなり、「一風変わったヒト」の道を歩み続ける。2001年、高島市へ移住。2013年11月「オーガニック給食推進プロジェクト」始動。2015年3月「ミツバチまもり隊」を設立。農薬使用の減少を目指して忙しくブンブン飛び回り、最近では「植木屋タケさん」ではなく「みつばちタケちゃん」と呼ばることが多い。

▼▼よろしければシェアお願いします▼▼

▼▼よろしければフォローお願いします▼▼

うつくしき BLOG

運営:一般社団法人日本腸美人協会

0コメント

  • 1000 / 1000